クリニック経営者の年収は?開業医の平均年収や年収を上げるポイント
クリニック経営を考えている方は、「勤務医の時よりも年収を増やしたい」「開業医になるとどのくらいの年収になるのだろうか」とお金の面でしっかりと検討したいと思っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、クリニック経営者の年収や平均年数の上げ方を解説します。
ぜひ本記事を読んでいただき、クリニック経営・開業医についての知識を深めてください。
目次
クリニック経営者の平均年収とは
クリニック経営者の平均年収は、様々です。診療科ごとでも異なりますし、経営者側の対策の有無によっても変わってきます。
今回は、特に勤務医と開業医の平均年収の違いについて解説します。
勤務医を目指すか、開業医を目指すか悩んでいる方などは参考にしてみてください。
きっと参考になると思います。
医療経済実態調査による統計データ
医療経済実態調査による統計データとは、中央社会保険医療協会が収集したデータです。
医療機関における経営状況を明らかにした上で、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として集められたデータになります。
具体的な医療機関の対象は以下の通りです。
・病院
・一般診療所
・歯科診療所及び薬局
いわゆるオープンデータ(誰もが利用できて、無料で公開されたデータ)と言われています。厚労省のオープンデータですので、信憑性が高いことから、分析や論文などを執筆する上で様々な企業などから利用されているデータです。
勤務医と開業医の平均年収比較
勤務医と開業医の平均年収を比較すると、大きな差があることが分かります。
それぞれの平均年収は以下の通りです。
勤務医:約1,491万円
開業医:約2,763万円
医療経済実態調査による統計データがソースとなっていますが、勤務医と開業医で平均年収に顕著な差があることが分かります。
いずれも就業時間は朝から夕方までであり、拘束時間はあまり変わらないにも関わらず、なぜこれほどまで顕著な平均年収の差が生まれるのでしょうか。
その秘密は、勤務医と開業医の所得の考え方の違いにヒントがあります。次項で詳しく解説させていただきます。
勤務医と開業医では所得の考え方に違いがある
勤務医と開業医の平均年収に顕著な差がある理由は、所得の考え方に違いがあるからです。
勤務医は言わばサラリーマンであり、病院から雇われた医師です。一方で開業医は経営者であり、個人事業主なのです。ここに所得の違いがあります。
勤務医の手取り収入は、給与から税金が引かれた分になります。
一方開業医の手取り収入は、個人事業主として稼いだ自院の売上から諸経費(税金、返済関係、経費)が引かれた分になるのです。
つまり開業医の場合、経費をあえて多く計上し所得を減らすことで、税金を抑えることができるのです。
このような仕組みの違いから、勤務医と開業医では平均年収に差が出てしまうのです。
診療科別にみる開業医の年収
クリニック経営者の平均年収は、診療科ごとで大きく異なります。
診療科ごとで開業医の年収は顕著な差がみられるのです。
今回は、診療科ごとでみる開業医の年収についてまとめました。
これから開業医を目指そうと思っている方や勤務医と開業医の違いを知りたい方、自身の専門領域が稼げる分野であるのか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
内科の平均年収
内科の平均年収は、約2,424万円です。他領域の診療科と比べても平均的な収入の位置となっています。内科を標榜しておけば、比較的多くの患者を囲い込めることから近年では内科を標榜する開業医が多くなってきています。
内科を標榜しておけば、風邪を引いた患者や発熱のある患者などが来院してくれる確率が上がるのです。
小児科の平均年収
小児科の平均年収は、約3,068万円です。他領域の診療科と比べても最も高い収入の位置となっています。
大人に比べて免疫力のない小児は、すぐ風邪を引いたり子供同士で風邪をもらってきたりと、比較的簡単に病気になるケースが往々にしてあります。
そのため、小児科の需要はどの地域でも高い水準にあります。
精神科の平均年収
精神科の平均年収は、約1,977万円です。他領域の診療科と比べて低水準な収入の位置となっています。
しかし、精神科の需要は年々上がっています。その背景としては、うつ病や適応障害などといった症状を訴える人が年々増えてきていることがあげられます。
2017年には気分障害などで精神科に継続的に医療を受けている方は127万人を超え、現在もコロナ禍という社会状況によって、更に患者が増える可能性もあります。
外科の平均年収
外科の平均年収は、約2,424万円です。他領域の診療科と比べても平均的な収入の位置となっています。
外科系の症状の治療はスポットで完治する症状が多いことから、継続的な患者の通院はあまり見込めず、開業する場合には新規患者を獲得できるかがカギになってくるでしょう。
整形外科の平均年収
整形外科の平均年収は、約2,988万円です。他領域の診療科と比べて高水準な収入の位置となっています。
整形外科の患者の年齢層は圧倒的に高齢な方が多いです。少子高齢化が年々進んでいる日本において、整形外科領域の需要はますます高まってくるでしょう。
産婦人科の平均年収
産婦人科の平均年収は、約1,834万円です。他領域の診療科と比べてもやや低めの収入の位置となっています。
分娩をやっているか否かで収入が変わるため、一概には言えませんが、不妊治療が保険適応になった現在から産婦人科領域の需要が高まってきています。
今後、不妊治療を受けに来る患者がますます増加することが想定されるため、産婦人科の年収も上がっていくことが想像できます。
眼科の平均年収
眼科の平均年収は、約1,512万円です。他領域の診療科と比べて最も低い収入の位置となっています。
白内障手術をするか否かでクリニックの面積が大きく変わり、導入する機器コストも大幅に変わるため、眼科領域の開業は一般的に難しいとされています。
開業で成功するためには立地を工夫したり、眼鏡店との連携をしたりなど、様々な戦略立案が必要なのです。
耳鼻咽喉科の平均年収
耳鼻咽喉科の平均年収は、約1,890万円です。他領域の診療科と比べて比較的低い収入の位置となっています。
耳鼻咽喉科の患者の年齢層は高齢な方が多いです。耳が聞こえづらくなったおじいちゃんやおばあちゃん達の多くが耳鼻咽喉科に来院されるからです。
少子高齢化が年々進んでいる日本において、耳鼻咽喉科領域の需要はますます高まってくるでしょう。
皮膚科の平均年収
皮膚科の平均年収は、約2,709万円です。他領域の診療科と比べて高水準な収入の位置となっています。
コロナ禍でマスク着用の重要性が叫ばれる中、マスクで皮膚が荒れる方が増えたこともあり、皮膚科の需要は高まってきています。
小児皮膚科の標榜や女性患者を上手く集客できる仕組みづくりができれば、皮膚科としての価値が高まっていくでしょう。
美容皮膚科など自由診療クリニックの平均年収
美容皮膚科など自由診療クリニックの平均年収は、約1,500万円です。
保険適応外の自由診療がメインとなるため、診療単価が上がれば上がるほど、収入が上がっていく仕組みになっています。
美容は、現代の女性の多くが持つ関心事の1つとして話題になっています。このことから美容ブームは今後も続いていくことが想定されますので、美容皮膚科の需要も今後どんどん高まっていくでしょう。
クリニック経営で年収を上げるためには?
クリニック経営で年収を上げるために対策すべき要素がいくつかあります。
今回は年収を上げるために効果的かつ重要な要素について3つご紹介します。
クリニックを経営する上でお悩みの方、これからクリニック経営を検討している方などにとっては、必ずお役に立てる情報になっていますのでぜひ参考にしてみてください。
患者を増やす
患者を集客すること、これがクリニック経営で最も大事なことです。集客のための対策事項はいくつかあります。以下の通りです。
・受付・看護師スタッフの対応を良くする
・駐車場を多く確保したり、バスや電車などで通いやすい立地にする
・クリニック内を常に清潔に保つ
・ホームページを凝ったものにする
・1人1人の患者に対して親身になって対応する
・待合室のスペースを広くする
上記のような様々な工夫によって患者の満足度は上がり、再院率が上がるのです。
使用している医療機器の見直し
現代において、患者がクリニックを選ぶ際に参考にする情報の1つに、ホームページが挙げられます。
ホームページ内に「最新の医療設備が備わっています」と書かれてあるか否かで患者がクリニックに対して持つ印象は変わるのです。
10年以上使い古している医療機器を持つクリニックよりも、最新の医療機器を導入しているクリニックの方が治療効果が高いと思えてしまうわけです。
患者の集客のためにも、極力医療機器は最新のものを揃えておくことが望ましいと言えるでしょう。
使用しているシステムの見直し
医療機器同様に、システムの投資も非常に重要です。
例えば電子カルテシステムにおいても、投資が非常に重要と言えます。
例えば10年以上前にリリースされている機種と、現行機種のスペックを比べた場合、そのスペック差はかなりあると言えるでしょう。
システム自身の機能性もさることながら、医療機器関連製品や部門システムとの親和性に関してもかなりの進歩を遂げています。
このことからシステムを最新機種に更新しておくことで、院内の業務効率が上がり、ひいては医療の質向上が期待されるでしょう。
患者に対して良質な医療を提供できるクリニックは、生き残れるクリニックと言えるのです。
クラウド型電子カルテならコストを抑えて導入可能
院内にサーバーを立てて運用するオンプレミス型の電子カルテとは違って、現代ではクラウド型の電子カルテが主流となっています。
クラウド型であれば院内に高額なサーバーを立てる必要がありませんし、そもそもサーバーをリプレイスする際の費用も発生しません。さらにはデータが常にクラウド上に保管されているため、災害時などの有事の際にもデータがクラッシュする心配がないのです。
自由診療向けクラウド型電子カルテMEDIBASEのご紹介
クラウド型電子カルテMEDIBASEには、自由診療されているクリニックにメリットのある機能が多くあります。
今回は、そのメリットについて細かく解説します。
自由診療クリニックの開業を検討されている方、あるいは現在自由診療クリニックを経営しているお悩みのある方などはぜひ参考にしてみてください。
予約システムとの連携で顧客満足度向上につながる
患者の顧客満足度が下がる要因の1つに「待ち時間が長い」という要因があります。
いかに腕の良い医師がいて、スタッフの応対が優れていたとしても、患者を待たせるクリニックとなればリピートはされないのです。
そこでMEDIBASEの予約システムとの連携機能がお役立ちできます。予約システムと連携させることによって、わざわざクリニックに行かなくても事前予約が取れます。
LINEなどの汎用ツールでも予約を取ることができますので、待ち時間なく診療を受けやすくなるのです。
売上管理・売上分析も可能
患者数や収入を分析して、売上管理をすることができます。当月の患者数や売上がどうであったのか、またその結果から来月以降に何をどう対策しなくてはならないのかを分析する際に活用できる機能となっています。
患者への良質な医療の提供だけでなく、自院のスタッフを守るためにも活用できる有益な機能です。
収入の推移などを分かりやすくグラフなどで視覚化することができますので、専門知識がなくともどなたでも簡単に読み解くことができるデータとなっています。
業務負担を減らし無駄な人件費を削減
電子カルテシステムを導入することによって、従来手作業が必要であった以下の業務が電子化され、多くのメリットが生まれるようになります。
・文書管理
・文書を探す作業
・数字の集計
・予約業務
・同時閲覧業務
・データのバックアップ
・他院へのデータ共有
これらの業務が全て電子化されることによって、業務効率が飛躍的に向上し、従来発生していた人的コストが大幅に削減されるようになるのです。
定期的に発生する月額費用を加味しても、人的コスト削減を考えれば安く済むケースが少なくありません。
まとめ
今回は、クリニック経営者の年収や、開業医の平均年収や年収を上げるポイントについて解説しました。
開業医の年収は診療科によって変わります。そのため、開業を検討する際には自身の専門領域が稼ぎやすいジャンルであるかを確認することが重要と言えます。また、クリニックで年収を上げるためにも医療機器の整備やシステムの整備などが重要です。これらを整備することで患者の集客に繋がるケースも往々にしてあるのです。
「MEDIBASE」は、予約システムとの連携が可能な電子カルテです。スタッフの業務改善に役立つ機能を多く有していますので、電子カルテ未導入のクリニックはぜひご検討ください。