美容クリニックの開業に必要な資格とは?失敗しない開業のポイントも紹介

  • HOME
  • ブログ
  • 美容クリニックの開業に必要な資格とは?失敗しない開業のポイントも紹介

近年、美容医療の需要は年々高まっています。医療だけでなく、ビジネスの領域でも魅力を感じる分野と言えるでしょう。中には医師免許がなくても、「自分の思ったような美容クリニックを経営したい」「ビジネスとして成功させたい」とクリニック経営を目指す方もおられるのではないでしょうか。

美容クリニックの実質的な経営者は、誰でもなることができます。そこでこの記事では、美容クリニックを経営するために持っていると有利な資格や、失敗しない開業のポイントを解説します。

最後には、業務効率を高め経営成功につながる、美容クリニック向けの電子カルテをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

美容クリニック開業に必要な資格とは?

個人の美容クリニックでは、医師がクリニックの経営を行っていることが多いでしょう。

実は、クリニックの実質的な経営者には、誰でもなることができるのです

その他の医療系の資格も求められることはありません。

経営に関しては誰でもできますが、決して容易ではないのも事実です。さらに、実際の病院の運用には医師の存在は欠かせません。医療側の運営を任せることができる信頼できる医師を確保する必要があり、広い人脈も必要になるでしょう。

医師免許がなくてもクリニックを経営することはできる?

医師免許がなくても、法人化することで、開業・経営が可能です。

その方法は3つあります。

①MS法人:直接医療にかかわることなく、外からクリニックの経営だけを行う法人です。

②医療法人:自身で開設した医療法人をクリニックの開業主体(開設者)にすることで、事実上、開業・経営することになります。医療法によると、都道府県からの許可が得られれば、非医師でも理事長になることが可能です。しかし、実際には運用実績が求められるため、新設の医療法人の場合は許可が出ないケースが多いようです。

③一般社団法人:自身で開設した一般社団法人を、クリニックの開設者とする方法です。一般社団法人自体の開設は比較的簡単です。ただし、クリニックを開業する際には、非営利性を厳しく審査されます。

経営は非医師でも可能ですが、院長として医師が必ず必要になることも忘れてはなりません。

看護師が美容クリニックを開業するには?

前述したように、クリニックの開業・経営は基本的には誰でもできるため、看護師が美容クリニックを開業することは可能です。

資格がない場合、経営を行うことはできますが、実際の医療現場に入ることは不可能です。しかし看護師であれば、経営だけでなく医療の現場でも活躍することができ、資格を活かしたクリニック経営が可能でしょう。

ただし、実際の施術や医療については、医師が主体になって進める必要があります。このため、医師との円滑なコミュニケーション、お互いを尊重しながらやり取りを進めるための努力が必要でしょう。

美容クリニック開業に有利な資格

美容クリニック開業する際に、医師や看護師といった医療関係の資格は大変有利です。

医療に関する専門知識を活かした、クリニック運営をすることができます。

一方で医療職の多くは、病院に勤務する働き方をしてきているため、経営に関する知識や経験があることは、稀と考えられます。

美容クリニックを開業・経営する際には、美容や経営に関連する資格を取得しておくと、有利になるでしょう。

医療経営士

医療経営士は、一般社団法人日本医療経営実践協会が認定している、民間の資格です。医療経営士試験に合格し、協会への入会・登録をすれば、「医療経営士」と名乗ることができます。資格は、はじめは3級から受験。その後、2級、1級と、段階的に級が設定されています。

医療機関のマネジメントが主な役割で、医療と経営に関する知識を持ち合わせています。さらに、病院経営における課題を明確化し、解決につなげる実践的な能力も備えているのです。

病院経営管理士

病院経営管理士は、一般社団法人日本病院会が認定している資格です。

日本病院会が開校する、通信教育を受講し学習します。受講期間は2年間で、必要単位を取得する必要があります。さらに資格を取得するためには、通信教育卒業後の病院経営管理の3年間の実務を有すること、および日本病院会が指定する「病院経営に関する研修会」に参加し、リポートの提出が必要です。そして、審査に合格した人が、「病院経営管理士」を名乗ることができます。

病院経営管理の実務が必要なので、簡単に取得できる資格ではないことがわかります。

防火管理責任者

美容クリニックに限らず、開業時には放火管理責任者を配置しなければなりません。これは消防法に規定されています。

防火管理責任者の要件の1つには、「防火管理業務を適切に行える〈管理的、監督的地位〉こと」とあります。管理的、監督的地位をとれれば、院長である必要はありません。

しかし、スタッフの場合は退職することもあるので、院長が担っていることがほとんどです。防火管理者責任者になるためには講習を受け、効果測定に合格しなければなりません。

講習は地域の消防本部や、一般社団法人日本防火・防災協会が行っています。地域によって異なるので、開業地の消防本部に問い合わせて受講しましょう。

2日間(約10時間)の講習を受講する必要があり、開催日が限られるため、計画的な受講が必要です。

美容クリニック開業に必要な届け出など

美容クリニックを開業する際には、さまざまな届け出が必要です。

保健所に届け出る「開業届」は多くの人が知っているかもしれません。しかし、開業にあたっては、他にも多くの書類の提出が必要です。提出先も保健所だけでなく、税務署・労働基準監督署・社会保険に関する事業所などさまざま。これらに、抜けなく届け出をする必要があります。

ここでは、代表的な届け出について解説します。

保健所への届け出

保健所への届け出として代表的なものは次のようなものです。

・診療所開設届

・診療所X線装置装備届け

・麻酔管理者・施用者免許申請書

など。

診療所開設届は、開設後10日間以内に提出する必要がありますが、実際は開業を計画した段階など、かなり早くから提出しなければなりません。一度で受理されることはほとんどないためです。クリニック名やテナントの内装などに関わることなので、事前の相談は必須です。

また、美容クリニックでは、隆鼻術や輪郭系背など骨格をさわる手術ではレントゲンを使用する必要があります。レントゲン、つまりエックス線を装置した場合には、設置後10日以内に保健所に「診療所X線装置装備届け」の届出が必要です。

麻酔管理者・施用者免許申請書は、麻薬の施用・管理を行う場合に必要な免許を都道府県知事から受ける為に必要な届け出です。麻酔施用者が2人以上いる場合は麻薬管理者を配置しなければなりません。麻薬施用者が1人の場合は麻薬管理者を兼任します。

税務署への届け出

税務署では、確定申告や個人事業主としての開業届などを提出します。

具体的には次のようなものがあります。

  • 個人事業開廃業等届出書
  • 青色申告承認申請書
  • 源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書

などです。

個人でのクリニック開業の場合は、個人事業主としての開業届が必要です。

また、確定申告は白色申告、青色申告の2種類がありますが、開業1年目から青色申告をする場合には、開業日から2か月以内に提出する必要があります。青色申告は、簿記の作成が複雑になるなど大変な面もありますが、承認を受ければ最大で65万円控除を受けることができます。

「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書」は従業員が10人未満の場合に申請することができます。本来であれば、1年に12回ある源泉所得税納付手続きを2回まで減らすことができ、事務負担を軽減できます。

労働保険の手続き

クリニックを開業すると、スタッフが被保険者となる労働保険に加入しなければなりません。

労働保険には、労災保険、雇用保険の2つがあります。

労災保険は、業務や通勤によって労働者が負傷した場合、病気にかかった場合、障害を負った場合、死亡した場合、被災した場合に、労働者もしくは遺族に対して保険給付を行うものです。

雇用保険は、労働者の雇用の安定と就業の促進を目的とした制度です。主なものとして、失業した場合の基本手当(失業給付)があげられます。

労災保険は労働基準監督署、雇用保険は公共職業安定所での手続きです。手続きの順番としては、労災保険の手続きを先に完了してから雇用保険の手続きに入ります。これは、雇用保険の手続きの際に、労災保険の手続きが成立していることの確認が必要になるためです。

指定医療機関コードの取得

美容クリニックの場合、自由診療の治療を扱うことがほとんどで、自由診療のみを行うクリニックもあるでしょう。

もし、保険診療もあわせて行う場合には、開業地の管轄の厚生局への「保険医療機関指定申請」を行う必要になります。申請が受理され、都道府県から指定を受けると「指定医療機関コード」が発行されます。このコードが、保険診療のレセプトや処方箋に記載される数字になります。

手続きの際は、スケジュールに注意する必要があります。厚生局に提出する「保険医療機関指定申請」は、保健所に提出した「開設届」が受理されたあとでなければ申請できないのです。さらに申請の受け付けは月に1回しかなく、受理されるまでには1カ月程度かかります。開業予定日から逆算して、手続きの準備を進めなければなりません。

社会保険事務所(社会保険に関する事務所)

美容クリニックを開業すると、従業員に対する社会保険についても検討しなければなりません。

常時5人未満の従業員の個人事業のクリニックでは、一般的には従業員自身が国民健康保険、国民年金に加入することになります。

医療法人格の病院や常時5人以上の従業員がいる個人事業のクリニックは、厚生年金保険など社会保険に加入する義務が生じます。常時5人未満の従業員の場合でも、加入条件を満たす従業員の過半数の同意が得られれば、事業所として厚生年金保険に任意適用の申請が可能です。

また、年金が「厚生年金保険」の適応となる場合、医療保険は「医師国保」「協会けんぽ」のいずれかを選択します。なお、医師国保は院長が加入する場合に、要件を満たす従業員を加入させることが可能です。

各手続きについては、「協会けんぽ」は全国健康保険協会、「厚生年金保険」は日本年金機構で行われます。

美容クリニックの開業を失敗させないポイント

美容クリニックの開業を失敗させないポイントは、美容医療に関する知識や信念のほかに、経営に関する知識やマネジメント力が必要になります。

美容クリニックの開業にあたっては、医療に限定される法律や財務に関する手続きもあり、一般的な事業を展開した経験がある人でも、ほとんど経験はないでしょう。

開業する場合は、医療に関する各種手続きや資金調達などの事務仕事も重要なタスクの1つです。コンサルタントなどに相談しつつ、自分自身でも把握しながら進めることが大切です。また、実際の医療の運営は医師が行うことになります。院長を任せる医師と、開業準備から協力して経営戦略やコンセプトを固めていく必要があるでしょう。

開業資金の調達は計画的に行う

クリニックの開業を100%自己資金で行うケースはまれです。多くは金融機関などからの融資が必要になります。

融資の決定のためには金融機関側に、経営理念や開業戦略を具体的、論理的にアピールする必要があります。設備投資の見積もりや、開業地のエリア分析を行い、必要書類を漏れなく準備する必要があります。特に設備投資の見積もりは早めに見積もり依頼すると良いでしょう。

そして各金融機関によって、融資条件や特徴が異なります。開業場所が限定される条件、融資決定までの時間を要すなど、それぞれの性格を把握したうえで融資元を検討する必要があります。

また、開業資金の1~2割程度の自己資金を持っている方が、融資を受ける際には有利です。開業を計画的に考えているというアピールになるためです。

立地はターゲットに合わせて決める

経営戦略として、「競合が少ない」「ターゲットの人口が多い」などの立地の決め方は重要です。しかし、美容クリニックの場合は、都心部での需要が高いという特徴があります。このため、競合がいることがわかっていながらも、都心部エリアでの開業が必要になることも。

ビジネスマンが多いのか、美容やファッションに敏感な人が多いのかなど、特色を分析することによって、自院のクリニックのターゲット層に合わせた立地を選ぶことができるでしょう。

自院のコンセプトと、ターゲットにメリットが大きな立地を選ぶ必要があります。

業務効率化ツールを早めに導入する

美容クリニックの開業は、他の診療科に比べて開業資金が高額になりがちです。このため、開業資金を抑えるための戦略も必要になります。

ただし、なんでも節約すれば良いわけではなく、業務効率化のツールは開業時からの導入が望ましいです。代表的なものの1つに電子カルテがあります。

開業時のコストを抑えるため、紙カルテは低コストでメリットがありますが、業務効率の面では複数人が同時に閲覧記録をできない、保管場所の確保が大変になる、画像の保存が乱雑になるなどのデメリットがあります。

経営が軌道にのってから導入を考える場合もあるでしょうが、途中からの運用にはデータの移行、不要になった紙媒体の書類の処理、など費用や時間がかかります。さらに、スタッフが電子カルテを使いこなせるようになるまでの時間も必要です。

最初から電子カルテを導入すれば、カルテ管理も容易で業務の効率化を図れます。また、予約機能や会計管理との連携も可能で、受付スタッフの業務は効率化するでしょう。

美容クリニックにおすすめの電子カルテならMEDIBASE

MEDIBASEは自由診療に特化したクラウド型電子カルテです。

月々の費用は39,800円と低コストで、小規模な病院でも安心して長期的な利用を行っていただけます。

使用する画面はとてもシンプルな設計で、直感的に操作しやすいというのが特徴です。新規開業の場合、スタッフ全員が初めて使うという状況になりますが、短い期間で使いこなすことができるようになります。診療コース管理機能も搭載しており、美容クリニックならではの、施術の複数回コースの役務管理も容易です。

クラウド型の電子カルテにも導入費、ランニングコスト、一定の費用が必要ですが、業務の効率化をもたらし、患者さんへ質の高いサービスの提供を助けてくれます。

クラウド型の電子カルテの費用対効果は大きいといえるでしょう。

ぜひ、美容クリニックの開業時には、クラウド型の電子カルテの導入をご検討ください。