クリニックスタッフのよくある不満とは?離職を止める対処方法

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クリニックの経営者や管理的な立場にある方は、「スタッフの不満」「スタッフの離職」に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特にスタッフの中でも人数割合の多い看護師に関しては、人間関係のもつれやワークライフバランスが取れず、すぐに離職をしてしまうなどのケースを経験しているかもしれません。

この記事では、スタッフの離職につながってしまう不満やストレス時に見せるというサインを説明します。長く務めてもらう対処法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

クリニックスタッフのよくある不満

日本労働調査組合の調査によると、看護師をしていて辞めたくなった理由は、1位「給与・待遇不満(49.3%)」、2位「精神的につらい(43.3%)」、3位「職場の人間関係(41.6%)」、4位「ワークライフバランス(36.9%)」ということが明らかになっています。

また、医療事務のスタッフも、「忙しさ」「人間関係の辛さ」「給料の低さ」など、看護師と同じような不満を感じているようです。

参考:看護師辞めたい。60%以上が退職を検討している結果に。「看護師の退職動機に関するアンケート」結果発表

人間関係や職場の雰囲気が悪い

医療現場に限らず、どのような職種でも、人間関係や職場の雰囲気の悪さは、問題になることは多いです。

クリニックでの勤務は忙しく、ピリピリした雰囲気になりやすいです。

また、人が集まると、年齢の近い同僚、気が合う人同士などで、小さなグループ化が起きるものです。これらのグループに属することで、一体感が生まれることもありますが、何かがきっかけで人間関係の悩みの発端になることも少なくありません。

また、先輩看護師から新人看護師への指導も、スタッフの離職に関連する原因の1つです。指導という意味での厳しさは必要ですが、時に感情的な責になっている場合も少なくありません。

休みが少ない

病床のある病院では、勤務に夜勤や準夜勤など、夜間の勤務体制を整えなければなりません。看護師では、2交替制、3交替制の勤務体制のどちらかが取られていることがほとんどです。

現在の2交替制では、日勤8時間、夜勤16時間の2つの時間帯で区切っています。3交替制では、日勤、準夜勤、夜勤を各8時間の勤務です。

このような勤務体制の特殊さから、連休が取りにくかったり、夜勤明けの疲れが取れないまま休日が終わったりと、しっかり休息を取れたと実感できないことが「休みが少ない」の原因になっている可能性があります。また、希望通りに有給休暇を取得できない場合も、休みの少なさを実感するでしょう。

やりがいが感じられない

職場への不満は、やりがいを感じられない状況が原因になっていることもあります。

やりがいのなさが起きる原因としては、「やりたい仕事がほかにある」「燃え尽きてしまった」「職場環境に問題がある」などがあげられるでしょう。

クリニックにおいてありがちなのは、「本当は違う診療科の病棟に配属されたかった」という病棟配置に関する問題。希望していない部署で働くことは意欲が高まらない場合もあるのです。また、働き過ぎて急に意欲がなくなってしまったという燃え尽き症候群状態に陥ることも。さらに、仕事に集中できないほどの人間関係の悪さも、仕事へのやりがいを失ってしまう原因と言えます。

お給料が低い

「お給料の安さ」は看護師、医療事務ともに、不満の理由の1つに上がってくるでしょう。給料に対する不満についてのアンケートでは、「残業代が付かない」「勤続しても給料が上がらない」「休日・祝日勤務の手当てがない」が上位3つの理由であることが明らかになっています。

残業については、勤務時間前の残業に対する不満が多いようです。看護師も医療事務も勤務時間よりも30分前後は早めに出勤し情報収集や前準備をすることがルーティンになっています。しかし、これに対しては残業代が認められていないことが多いのです。

また、業務量の多さや勤務体系が不規則なことも影響していると考えられます。「こんなに働いた割には給料が少ない」と感じてしまうかもしれません。

ワークライフバランスに問題がある

厚生労働省の調査では、男性看護師は全体の7.8%、女性看護師は92.8%と、近年では男性看護師の活躍も目立ちますが、まだまだ女性の看護師が多いのが現状です。女性の場合、出産・育児と看護師の仕事を続けることの困難さを感じている方もいるでしょう。

また、看護師は夜勤や勉強会など、働く時間が不規則になりがちで、自己研鑽のための学習に使わなければならない時間も多いことから、ワークライフバランスに問題を抱えてしまうようです。

さらに日々の勤務においても、勤務終了時間が来ればすぐに帰宅できることは少なく、勤務終了後に記録をし、担当患者さんのサマリを書くなど、拘束時間の長さも問題の1つです。医療事務では、月の中でも最も大変なレセプト作成の期間には残業が続くことがあり、負担のかかる業務になっています。

スタッフが不満を抱いているサイン

スタッフが職場に不満を抱いている時には、サインを出していることがあります。このサインをいち早くキャッチして、不満やその原因について問題解決に繋げられるようにするのも、経営者や管理的立場にあるものの役割の1つです。

クリニックや診療所の運営をしていくためには、スタッフに長く働いてもらうことが必要です。大切なスタッフを失わないように、管理者として職場の雰囲気やスタッフの言動をよく観察し、その変化を感じ取りましょう。必要な時には介入していくことも大切です。

休みがちになる

スタッフが職場に対する不満や仕事・人間関係に関する不安を感じると、休みがちになる傾向があります。これはクリニックや診療所に限ったことでなく、一般の企業でもよくあることです。

人間関係のストレスによる精神的な疲れや、激務による身体的疲労、仕事上でのトラブルやプレッシャーなど、休む理由はさまざまなことが考えられます。

特にまじめで、責任感の強い、日々頑張るタイプのスタッフが休みがちになる場合は、注意が必要です。体調不良も心配される上、離職につながる懸念があります。

どんなスタッフが休みがちになっているのかを把握したうえで、不満を抱くサインとしてキャッチする必要があります。

コミュニケーションが減る

いつもは人とよく話をするスタッフのコミュニケーションが減った場合、それが何かしら

の不満や不安の表れ、また退職を考え始めたサインになっていることがあります。職場を辞めることを考えはじめると、「申し訳なさ」を感じ、話をしなくなってしまったり、次の転職先が決まったために、現状を変える努力をしなくなってしまいます。

さらに、人間関係のストレスから、意図的に話をしなくなることもあるでしょう。スタッフ同士の陰口や噂話を聞くのも、その話の輪に入るのも避けた結果、コミュニケーションが減っていることもありえます。

スタッフのコミュニケーション不足は、必要な情報共有を阻む可能性もあり、場合によっては患者さんのへのケアや療養生活にに悪影響を与えることもあるでしょう。管理者としても、スタッフの様子をチェックし、コミュニケーションの不足が目に余るような状態であれば、対策を打つ必要があるでしょう。

仕事に対する積極性がなくなり、受け身になる

今までは積極的に仕事を行ってきた人が、急に受け身体制になった場合も、退職を考え始めている可能性があります。

その理由は、「もう辞めるから頑張らなくていいや」「辞めるつもりなのに、仕事を引き受けると後々迷惑をかける」といったものが考えられます。

仕事に対して積極性のないスタッフがいると、周りのモチベーションにも影響する可能性があります。医療現場の仕事は、患者さんの健康や命に直結するものなので、全体の士気が下がらないように、注意しなければなりません。

不平・不満が出なくなった

実はスタッフが不平や不満を言ってくれている間は、まだその状況を改善する余地があります。しかし、これまで不平や不満を述べていたスタッフが急に言わなくなった場合は、離職の兆候があると考えられます。

それは、あきらめて転職か退職をすることに決めた可能性、もしくは不平・不満の原因が解消された場合によります。注意すべきは前者です。スタッフの間、もしくはクリニック内で発生している、不平不満の原因を解決できないまま、スタッフの離職が多くなるといった状況になりかねません。

スタッフに長く勤めてもらうための対処法

スタッフに長く勤めてもらうためには、まずはスタッフの声に耳を傾けることから始めていく必要があるでしょう。何か問題が起きてからではなく、定期的に確認できるような仕組み作りが必要です。

また、スタッフ同士がねぎらえるような雰囲気作りが大切です。そのためには、経営者などの管理的立場にある人も、スタッフをねぎらう心や感謝の気持ちを伝えることが大前提になるでしょう。

雰囲気を乱す原因を止める

スタッフが気持ちよく働くことができるためには、病棟の雰囲気が大切です。まずは雰囲気を乱している原因を止めるため、原因を明らかにする必要があります。

まずは、管理的立場にある人自らが、実際の現場に入ってどんな問題がありそうなのか、その雰囲気を感じてみましょう。そして、スタッフとの面談を通して、問題点を明確にしていきます。

雰囲気を乱す原因を止めるためには、弱点や問題点を強調するのでなく、その職場の強みと改善点を伝え、良いところをさらに向上させるようなアプローチをすると、各方面に角が立ちにくく、問題解決にもつなげることができます。

スタッフとのコミュニケーションをとる

経営者や管理的立場にある人物が、クリニックのスタッフ1人1人に対して、しっかり向き合うこと、これはスタッフとの信頼関係の構築という意味でも大変重要です。スタッフと向き合うためには面談をスケジュール化して、確実に行うようにすると効果的でしょう。

また、定期的に現場にも向かい、患者さんのために働いてくれるスタッフを労うことも大切です。さらに、管理者の目があるということがわかれば、人間関係上の問題になりやすい陰口や悪口などの抑止力にもなるでしょう。

管理者がスタッフとの良好なコミュニケーションを取っていくことで、言いにくい内容でもある休日や休暇に対する要望を伝えやすくなります。

業務効率化のための仕組みを作る

業務が忙しくなると、スタッフがぴりぴりして、部署全体の雰囲気が悪くなってしまいます。業務の効率化を図ることも、部署における問題解決の大切な手段です。

看護師や医療事務にとって大変な業務と言えば、カルテの記録や書類の整理。紙ベースでの業務の場合では、手間・時間がかかりがちです。特に紙カルテは、同時に閲覧・記録ができないため、スタッフ間でも小さなトラブルが起きる要因になり得ます。さらにリアルタイムな記録が難しく、残業をして記録をするなどの問題も起きがちです。

電子カルテや会計システムを導入することで、複数人で同時に閲覧記録ができ、よりリアルタイムな記録が可能です。残業が少なくなり、業務が効率化することで部署の雰囲気も良くなることが期待されます。

MEDIBASEは、クリニックや診療所の自由診療に特化した電子カルテです。

スタッフ間のカルテ共有はもちろん、予約システム機能もついていますので、医療事務の業務効率もアップさせることができます。スタッフの業務改善でお困りの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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クリニックの開業・運営にはスタッフの力が鍵

クリニックの開業や運営には、医師や看護師、医療事務などのスタッフは欠かせない存在です。

スタッフが良い雰囲気の職場で、気持ちよく働いてもらえるための、環境づくりが大切です。

医師と看護師・医療事務は医療のシーンでは対等なパートナー。しかし、クリニック内の雇用関係では、雇用主と非雇用主の関係です。バランスをうまく保ちながら良い関係を築き、患者さんにより質の高い医療やケアを提供できるよう、業務改善や効率化について常に意識しておくことが大切です。