電子カルテはクラウド型・オンプレ型どっちがいい?メリットや比較のポイントをご紹介
クラウド型電子カルテとは、インターネット上のサーバーでデータを管理する電子カルテのことです。オンプレミス型よりもメリットが多く、導入を検討している医院も多いはず。今回はそんなクラウド型電子カルテについてご紹介いたします。
電子カルテを導入することで、予約管理や受付業務などの業務負担を軽減でき、紙カルテで運用していた時よりも業務時間を減らすことが可能になります。
現在、特に小規模の病院・クリニックでは電子カルテの導入は遅れており、未だコストの面やセキュリティ面で導入に踏み切れないという医院も多いようです。
この記事では、クラウド型とオンプレミス型の違いや特徴を把握し、メリットやデメリットを理解した上で導入できるよう、詳しく解説いたします。
目次
現在、厚生労働省が電子カルテの標準化を推進
現在、厚生労働省では電子カルテの促進を図り、データベースによる医療情報の共有簡易の標準化を目指しています。
出典:医療等分野におけるICT化の徹底について
紙カルテに比べて、各分野との情報共有がスムーズになり、連携が強化できるため、電子カルテの導入は今後必須のものとなってくるでしょう。
地域の医療機関や介護の人材が連携し合う地域包括ケアシステムの構築にあたっても、データベースの管理によって、情報共有が簡単に行えるようになりますので、さまざまな業態の電子カルテの導入が進んでくるのは間違いありません。
医療機関や自治体とのデータを共有し活用することにより、これまでよりも質の高い医療を提供できる可能性が広がります。
電子カルテとは?
電子カルテは、従来は紙で管理していた診察内容や処方薬、経過について記載したものを、パソコンやタブレットなどを用いて作成し電子的なデータとして保存するシステムのことを指します。
記録した電子データは全てクラウドやパソコン上でデータとして保存されるため、紙カルテのように保管スペースが年々増えていくといった心配がありません。
ベンダーごとに電子カルテの機能が違うため、導入する前にどの電子カルテが自院に向いているのかしっかりと確認する必要があります。
クラウド型電子カルテ
電子カルテには「クラウド型」と「オンプレミス型」の二種類があります。クラウド型電子カルテは、自院にデータの処理や保存をするためのサーバーを設置せず、クラウド上でデータの保存・管理を行います。サーバーはクラウド上にあり、そこからデータを呼び出して利用します。
クラウド型の電子カルテには、
- 初期費用が安い
- 院内にサーバーの設置が不要
- さまざまな端末で利用が可能
- バージョンアップやバックアップが自動で行われる
といったメリットがあります。
いままで広く使われていた電子カルテは、クラウド型ではなく、自院にサーバーを置くいわゆるオンプレミス型電子カルテでした。
以前は、3省3ガイドラインというものがあり(現在は3省2ガイドラインです)、サーバーを院内に置くことが定められていました。しかし、クラウドサービスの普及により2010年にガイドラインが改正され、一定の基準を満たしたクラウド型電子カルテを利用することが認められています。
オンプレミス型電子カルテ
オンプレミス型電子カルテは、サーバーコンピューターを自院に設置し、データの保存・管理を行います。クラウド型電子カルテに比べ、オンプレミス型電子カルテには
- セキュリティ強度が高い
- 高度な医療機器との連携ができる
といったメリットがあります。
ただし、院にサーバーがあるためメンテナンスや、定期的なバージョンアップはその都度自院で行うか、専門スタッフによる訪問対応などが必要です。その他にも、カルテのデータが自院のサーバーに保存されているため、データのバックアップといった作業も自院で行う必要があります。
さらに、オンプレ型電子カルテは、コンピューターやネットワークシステムを一から揃える必要があるため、初期費用として約300~500万円程度かかります。他にもシステムアップデートにかかる更新費や、保守費用と言ったランニングコストがかなりかかるため、トータルコストは高額になります。
クラウド型電子カルテがシェアを伸ばしている
電子カルテは元々、患者の基本情報や処方薬などが記入された、膨大な量の紙カルテをデータ化する目的で電子カルテが登場しました。しかし、サーバーを院内に置かなければならず、導入コストが高くなるために、導入が進みませんでした。
最近では、低コストで導入可能なクラウド型電子カルテが数多く登場し、その利便性から年々普及が広がっています。
クラウド型電子カルテのメリット
これまで自院にサーバーを置くオンプレミス型電子カルテが主流でしたが、なぜクラウド型電子カルテがシェアを伸ばしているのでしょうか?
クラウド型電子カルテのメリットを解説していきます。それぞれのクリニックにとってのメリット・デメリットを踏まえ、導入の前にクラウド型電子カルテが選ばれているメリットや特徴を詳しく把握し、よく検討してみましょう。
低価格で導入が可能
クラウド型電子カルテの最大のメリットは、院内にサーバーを設置しないため、低コストで導入・運用できるところです。院内にサーバーを置くオンプレミス型は一般的に5年リースが必要で、5年ごとの定期的なシステムの買い替えのために、高額なコストが発生します。
クラウド型電子カルテは、コンピューターとインターネット、ウェブブラウザがあれば場所や端末を問わずに利用可能で、初期費用がオンプレ型電子カルテと比べてかなり安価です。
また、電子カルテシステムのアップデートや、不具合の修正などは電子カルテ業者が行うため、クリニック側に手間が発生しません。
データにアクセスしやすい
保存されているデータはクラウド上で全て管理されているため、インターネット接続がある環境であればいつでもどこでもデータを確認できます。
タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末でも閲覧・操作が可能なため、電子カルテを院外へ簡単に持ち出せます。往診診療や在宅医療を行っているクリニックでも、モバイル端末を持ち運ぶことで、インターネット環境さえあればどこでも使用できます。
さらに、入力されたデータはすぐに反映されるため、リアルタイムで情報を確認でき、迅速な処置につなげられます。
セキュリティ・バックアップの面でも安心
一般的なクラウドサービスでは、データを保存するサーバーを分散させるなどの対策をしています。そのため、もしクリニックが地震や水害、自然災害などにあってしまっても、データ自体はクラウド上に保存されているため、データが消失してしまう心配がありません。
また、数時間単位や一日単位で自動的にクラウド上のサーバーにバックアップを行うため、診察中の操作ミスなどによるデータ消失時にも安心です。
クラウド型電子カルテのデメリット
ここまでクラウド型電子カルテとオンプレミス型電子カルテを比較してみると、ややクラウド型電子カルテが優位のようです。しかし、クラウド型電子カルテにもデメリットがあります。クリニックの規模や診療スタイルによっては、オンプレミス型電子カルテが適している場合もあります。よく比較してから購入を検討しましょう。
インターネット接続が必須になる
クラウド型電子カルテは、インターネットを介したシステムなのでインターネット環境がない環境では、クラウド型電子カルテは利用できません。そのため万が一インターネットに不具合が生じた場合、一時的に使用できないなどのトラブルが発生する可能性があります。
インターネット環境さえ整っていれば、どこでも閲覧・操作が可能なクラウド型電子カルテですが、逆にインターネット環境が悪いと、診療に支障をきたす可能性があるということです。
最悪の場合、サーバーへの接続状況を安定させるために、追加でインターネット環境整備を必要とする可能性もあり、インターネット環境へ依存したサービスであるとも言えます。
コストがかかる
低コストで導入できるクラウド型電子カルテですが、追加費用などでランニングコストが高くなる場合があります。クラウド型電子カルテは、既存設定へオプションを追加する以外のカスタマイズは出来ません。そのため既存機能の範囲内で、電子カルテをうまく運用していく必要があります。
クラウド型電子カルテを導入する際に、初期費用は低コストで抑えられますが追加オプションがかさみトータルコストが増大する可能性があります。
どちらのタイプがコストを抑えられるかはケースバイケースなので、導入前によく検討してみましょう。
クラウド型電子カルテを比較する際のポイント
クラウド型電子カルテの導入が決まれば、次にどのようなポイントを意識して他社サービスを比較すればよいのでしょうか。
電子カルテは毎日の診療で欠かせないため、しっかりと比較しクリニックに最適な機能・サービス・プランを選ぶ必要があります。
セキュリティ対策がとれているか
電子カルテは紙のカルテとは違い、カルテ自体を紛失してしまう恐れはありません。しかし、「クラウド上で管理すると、どこからか情報が漏れてしまうのでは?」といった不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一般的なクラウド型電子カルテは、標準装備としてサービス業者やサーバーの管理者が「不正侵入検知システム(IDS)」などを用いて、第三者の不正なアクセスを遮断しています。
また、保存されたデータは、サーバーへ送られる過程で暗号化されます。そのため、第三者がハッキングするなどして盗み見することが出来なくなっています。
使いやすいものか
電子カルテの導入において、使いやすさはとても重要なポイントです。使いにくい電子カルテは日々の作業効率を下げてしまう可能性があるからです。
たとえば、機能がたくさん付いていると、一見すると高性能な電子カルテのように見えますが、あまり使わないという機能も少なからず存在します。不要な情報が多く表示されてしまうと、逆に使いにくくなることもあります。
毎日使うものだからこそ、多機能・高性能ではなくシンプルで直感的に使いやすい電子カルテの方が、ストレスを感じることなく使用できます。
入力画面が見やすいかどうか、動作が早いかどうかなどを確かめて、より使いやすい電子カルテを選びましょう。
他のシステムとの連携ができるか
電子カルテは単体で使用するのではなく、医療会計システム(レセコン)などと連携して使う必要がある場合があります。そのため、現在使っているシステムやソフトと連携できるかどうかを、導入前に確認する必要があります。
電子カルテの中には、レセコンと一体型になっているものも数多くあります。それまで使っていたレセコンのリース期限が切れるなどの場合は、一体型を選んでみても良いでしょう。
また、最近では診療予約システムや自動精算機・セルフレジなどを導入しているクリニックも増えてきました。仮に、システム同士の連携ができなければ、システムごとに患者情報を登録しなければならず、作業効率がかなり下がってしまいます。
システム同士の使い方に大きな差がないかなども確認すると良いでしょう。
サポート体制があるか
電子カルテ導入後も、安心して使うための充実したサポート体制があるかどうかも検討する必要があります。カルテ導入時のサポート、操作方法のサポート、他の機器と連携などのサポートについても専門スタッフが在籍しているサービスを選ぶと安心です。
メールや電話だけのサポートよりも、オンライン上での遠隔操作のサポートを取り入れているところでは、リアルタイムで問題が解決するため急なトラブル時にも安心です。
また、これまで紙カルテを使用していたクリニックにおいては、電子カルテへレセコン情報をスムーズに移行できない場合があります。レセコン移行プログラムなどのサポートがあると便利です。
クラウド型電子カルテならMEDIBASE
クラウド型電子カルテの「MEDIBASE」は、一般的なクリニックとは違った管理が必要な自由診療に特化したクラウド型の電子カルテです。充実した機能と使いやすさにより、患者情報の管理などが簡潔化するため、日々の診療業務の効率アップにつながります。また、比較的低コストで導入できるため、運用コストの削減にも効果的です。
自由診療に特化した業界初のサービス
MEDIBASEは、自由診療に特化したクラウド型電子カルテです。美容外科や美容皮膚科などで数多く導入されており、役務管理が必要な「コースの回数消化」などを管理するシステムや、インターネット診察予約と完全に連携する機能などがあります。
その他、患者様の写真や画像を管理する機能や、施術前の同意書・検査結果・伝票問診票などの、紙ベースの書類をスキャンしデータとして取り込む、文書管理機能なども備わっています。
これらのデータは分院でも閲覧・管理できるため、分院展開する際の情報管理も簡単に行えます。
直感的に操作でき、使いやすい
毎日たくさんの患者さんを診察するクリニックでは、できるだけ電子カルテの操作を簡単に行う必要があります。一目で患者の状態がわかる見やすいレイアウト、紙カルテに慣れている人でも馴染みやすいシンプルな操作、入力作業が最小限など、直感的に操作でき使いやすいということがポイントです。
MEDIBASEは、特許を取得している直接編集機能を搭載しており、より分かりやすく入力がしやすいカルテの作成が可能です。
月額39,800円で利用可能
使用するパソコンやタブレット端末が何台でも、利用者が何人でも、1院当たり月額利用料金は変わりません。また、クリニックの規模や診療スタイルに合ったプランの提案を受けれます。
先述した通り、オンプレミス型電子カルテの場合は、一般的に5年リースが必要なため、5年ごとに買い替えのコストが発生そますが、MEDIBASEはリース不要であるため、5年ごとの大きなシステムが買い替えコストは不要です。
まとめ
電子カルテのクラウド型、オンプレミス型のメリットや比較のポイントをお伝えしました。
医療機関の規模や診療スタイルによって、どちらがいいのかをしっかりと判断する必要があります。
お伝えしたメリットや特徴を参考に、低コストで導入できるクラウド型電子カルテを診療に活かせるかどうか、検討してみましょう。