電子カルテの買い替えは必要?乗り換え時のチェックポイント
既に電子カルテを導入しているクリニックで、コストの見直しや電子カルテの種類の切り替えなどで、電子カルテの買い替えを検討することがあります。
買い替えをするのであれば、クリニックの経営や診療により良い選択になるようにしたいものです。
そこでこの記事では、電子カルテ乗り換え時のチェックポイントをご紹介します。
目次
電子カルテに買い替えをする理由
既に電子カルテを導入しているクリニックで、新たに買い替えをする場合があります。
ここでは、クリニックが電子カルテに買い替えをする理由について主なものを紹介いたします。
オンプレミス型からクラウド型へ切り替えるため
オンプレミス型電子カルテは法定耐用年数が5年と定められており、買い替えが必要になります。そのままオンプレミス型を利用する場合もありますが、最近ではクラウド型に移行するケースも見られます。
これまではオンプレミス型が主流の時代があり広く使われてきましたが、近年技術の進歩によりクラウド型の普及が進んでいます。
オンプレミス型よりもコストが安いため、クラウド型に切り替える方がコスト削減になることが多いです。
ランニングコストの見直しをするため
現在使用している電子カルテのメンテナンス費用、保守費用などが高額なため、買い替えを検討する場合があります。
特に、長年オンプレミス型の電子カルテを利用していると、ランニングコストがかかることが課題になります。オンプレミス型は初期費用が500万円程度と高額で、さらにシステムアップデートなどの費用も必要です。
耐用年数である5年ごとに初期費用と同等のコストがかかるため、クリニックや診療所などの小規模な医療機関では、大きな負担になってしまいます。
機能面での不満があるため
現在使用している電子カルテの画面が見にくい、扱いにくい、自院の診療の特徴にあっていないなど、機能面に不満がある場合も買い替えのきっかけになるでしょう。
電子カルテは業務改善・効率化のために効果的なツールの1つです。しかし、スタッフが扱いにくい、見にくいと感じるような操作上の問題があると、業務効率は上がりません。
また、搭載された機能が活用できない、必要な機能がカスタマイズできないといった場合も不満につながります。
サポート体制に不満があるため
サポート体制の不満は、買い替えを検討する要因になりやすい課題です。
これは、電子カルテシステムが問題なのではなく、ベンダーや相談窓口など人的要因によるものです。
具体的には、「トラブル時の対応が遅い」「質問に的確に答えてもらえない」などがあります。不具合が生じると診療に影響し、最悪の場合その後の診療をストップしなければならないこともあるので、早急な対応が望まれます。そのため、対応力のあるベンダーに乗り換える医療機関も少なくありません。
電子カルテを買い替える前に確認したい事項
電子カルテを買い替えて、スムーズに運用するためには、購入前にいくつか確認しておきたいポイントがあり、なかでも「業務の効率化」や「サポート体制」「コスト面」などは、客観的かつ網羅的に確認するべきです。
そして、現在使用している電子カルテの課題を解決できるような、より自院にあった電子カルテシステムを導入できるようにしましょう。
ここでは、電子カルテを買い換える前に確認したい事項について詳しく解説します。
契約期間
契約期間とは、主に保守契約を指し、オンプレミス型の場合は、基本的に5年前後で保守契約を締結されるケースが多いです。保守契約期間について確認するとともに、自動で契約更新になるのか、何もしなければ自然に解約されるのかは注意する必要があります。
一方、クラウド型は、データを保管するサーバーをクラウド業者が管理しています。このため、保守管理に関する契約はなく、月額の利用料を支払えばサポートを受け続けられることがほとんどです。
ただし、クラウド型の場合でも最低契約期間が定められている場合も多いので、事前に確認をしておきましょう。
移行が可能かどうか
現在使用している電子カルテのデータを、買い替える予定の電子カルテに移行できるかどうかも重要なポイントです。
電子カルテは情報の保存形式が標準化されていないため、各システムが個別の保存形式を導入しています。このため、電子カルテのシステム同士によっては、簡単にデータ移行ができない場合があります。
ただし、必ずしも移行が必要でなく、現在使用中の電子カルテの端末を閲覧・保管用に1台のみ残すという手段もあります。
機能性・操作性の確認
業務効率のアップのためには、自院の診療の特徴にあった機能が搭載されていることが大切です。また、スタッフがスムーズに利用できるためには、操作性がよいことも重要なポイントとなるでしょう。
多くの場合、契約前にデモを体験できます。実際に操作をしてみるのも操作性の判断として効果があります。
また、本当に必要な機能かどうかを判断するためには、自院の解決したい課題を明確にしておくことが重要です。そうすることで、見合った機能が搭載されているかを客観的にチェックできるでしょう。
長期的な費用対効果
電子カルテの買い替え時には、長期的な費用対効果をチェックすることが重要です。
オンプレミス型は、カスタマイズ性の高さなどメリットがありますが、コストが高額になりがちです。機能を使いこなせる規模の医療機関であれば費用対効果は高いですが、規模が小さい医療機関ではそうとは限りません。
クラウド型はカスタマイズ性は、オンプレミス型ほどは高くありませんが、さまざまな機能を搭載しており低コストです。それぞれの特徴を把握し、自院とって費用対効果の高いものを選びましょう。
電子カルテの買い替えの問題点と解決法
現在使用している電子カルテから、自院にぴったりの電子カルテに買い替え、よりスムーズな運用を目指すわけですが、買い替え時には問題が生じる場合もあります。
買い替え時に起きる代表的な問題点は次の2つです。
- カルテデータの移行が大変
- 操作を1から覚える必要がある
ここではこれらの問題点と解決法について解説します。
データの移行が大変
電子カルテのデータの保存形式は標準化されていないのが現状です。このため、電子カルテのシステム同士によっては、データ移行が簡単にはできないケースがあります。
もし行う場合には、メーカー間で仕様公開をして「データコンバート」を実施しなければなりません。
これは、新ベンダーが旧ベンダーに「情報を吐き出してください」と依頼し、出されたデータを移行していきます。これは時間も費用も必要で、通常現実的ではないかもしれません。
また、紙カルテから電子カルテに移行する際も、紙カルテをスキャンするなどの移行作業が必要になるため、手間がかかってしまうのが事実です。
移行については、以下の記事も参考にしてください。
【解決法】閲覧のみで併用する
新旧の電子カルテを併用することでこの問題を解決できます。
データ移行は行わず、過去のカルテデータを閲覧したい場合には、旧電子カルテを使用して確認します。新電子カルテとは連携させず、あくまでデータの閲覧・保管用として旧電子カルテを残すのです。
ただし、旧電子カルテを残して使用するので、保守料を払う必要があります。
継続的に費用がかかってしまうのはデメリットですが、時間と手間がかからない現実的な解決法の1つです。
操作を1から覚える必要がある
電子カルテから電子カルテに移行する場合でも、システムによって、操作方法は大きく異なるため、ベンダーが提供する操作説明サポート体制があるかなど確認しておく必要があります。
パソコン操作に慣れているという場合は、すぐに慣れることができるかもしれませんが、電子カルテ自体の操作自体は1から覚える必要があることを覚えておきましょう。
【解決法】直感的な操作が可能なものにする
新しい電子カルテを導入する際には、システムを選ぶとき、複雑な操作で分かりにくいものは避けた方が良いでしょう。
複雑なものにすると、電子カルテ操作になかなか慣れず、スムーズな導入・運用を妨げるからです。
できるだけ早く、多くのスタッフが使いこなせるようにするためには、直感的に操作ができるようなものを選ぶようにしましょう。
直感的に操作しやすい電子カルテも開発されているので、意識してシステムを選ぶことがおすすめです。
電子カルテの買い替え・乗り換えでコスト削減を
電子カルテの買い替え・乗り換えは一時的にはコストや手間、時間がかかりますが、長期的にみると、コスト削減につながります。
また、自院の診療や業務上の課題を解決するために、相応しいシステムを導入することで、業務効率のアップにつながり、患者さんに提供する医療の質も高まるでしょう。
自院にとって必要な機能は何か、不要な機能は何かを明確にして、費用対効果の良い電子カルテシステムを選び、コスト削減を目指してください。
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