電子カルテのコストを削減するポイントは?かかる費用の内訳も紹介
現在、電子カルテの標準化や業務の効率化を目的として、電子カルテの導入を検討している医療機関も多いでしょう。しかし、電子カルテは紙カルテよりも高いコストが必要です。どのようにすれば電子カルテのコスト削減を目指せるか、と悩んでいる担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、電子カルテにかかる費用の内訳と、コスト削減のポイントについて解説しています。
目次
電子カルテのコスト削減は可能?
日本の政府の方針である電子カルテの標準化や、自院の業務改善を目的とし、電子カルテを導入したいと考えている医療機関もあるでしょう。しかし電子カルテを導入するには、どうしても高いコストが必要です。特にクリニックや診療所など、必ずしも経営力が強いとは限らない医療機関では、経営面へ大きな影響を及ぼすため、電子カルテ導入を見送るケースもあります。しかし、電子カルテの種類を選ぶことで、コスト削減を目指せます。
クラウド型の電子カルテであれば、初期費用・維持費をおさえられるので、コストを削減して電子カルテを導入できます。
電子カルテでかかるコストとは?
電子カルテには大きく分けて、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。
オンプレミス型は、電子カルテのシステムを院内に設置するので、全てが院内で完結します。
一方クラウド型は、インターネットを業者が管理するクラウドにデータを保存します。そのため、インターネット環境が必須です。
どちらのシステムを使用するかで、かかるコストが違ってきます。ここからは、それぞれのシステムにかかるコストの詳細について解説します。
オンプレミス型の場合
オンプレミス型の電子カルテの場合は、医療機関の施設内に電子カルテシステム一式を設置する必要があります。サーバーコンピューターを設置し、ローカルネットワークで施設内のコンピューター端末に接続します。
初期費用やシステムの更新料が高額になりがちなので、大きな規模の医療機関で広く使用されている傾向です。オンプレミス型の電子カルテに必要な費用について、詳しく見ていきましょう。
ハードの費用
ハードウェアは、機械そのもののことを指します。電子カルテのシステムにおいては、パソコン、ハードディスク、モニター、タブレット端末、プリンター、スキャナーなどです。情報を保存・管理するサーバーも含まれます。
オンプレミス型ではサーバーや専用のパソコンなどのハードウェアは、パッケージ化して提供されることが一般的なようです。選択できない分、より安い製品を選ぶなどのコスト対策をしにくい場合があります。
ただ最近では、自院で別途端末を購入することもあるようです。この場合は、システムに対応するスペックのハードウェアを選ぶ必要があります。
医療機関の規模が多いほど端末数の確保が必要なので、ハードウェアの費用がかさみがちです。
ソフトの費用
ハードウェアは機器そのものなので、ハードウェアだけでは機能しません。電子カルテシステムを稼働させるためには、ソフトウェアが必須です。
オンプレミス型の場合はソフトウェアの購入が必要になり、多くは初期費用に含まれていることがほとんどです。ソフトウェアに関しては、約5年に1回、OSの更新に合わせて大幅なアップデートが行われます。この際にも、導入初期費用と同等の費用がかかるため、長期的に見ても維持費がかかるという特徴があります。
オプション費用
近年では診療の効率を高めるために、そのほかのシステムをオプションとして連携させていることが一般的となりました。
よく連携されているシステムとしては、診療予約システム・画像ファイリングシステム・検査システムなどがあります。
また、保険請求が必要な医療機関では、レセプトコンピューターも同時に購入することが多いでしょう。すでにレセプトコンピューターを導入している場合には、新規導入した電子カルテに連携させる必要があります。これら周辺システムをオプションとして連携させるときは、連携費用が別途必要です。
保守管理費用
オンプレミス型の電子カルテは、院内に設置したサーバーの保守管理が必要です。保守とは、システムの調整や改修・修理などの作業を指します。電子カルテのセキュリティーを守りつつ、スムーズに運用できるために重要な管理です。
この保守管理にも、月々数万円程度の費用が必要になります。保守管理をする担当者も必要なため、人件費もかかってくるでしょう。
さらに、サーバーを正常に作動させるためには、室内の温度や湿度といった空調設備や、電気などの光熱費もかかり、維持費がかかることも忘れてはいけません。
オンプレミス型の電子カルテを導入すると、多くのケースではハードウェア・ソフトウェアなどがパッケージ化されており、初期費用として500万円ほどが必要になると言われています。
クラウド型の場合
クラウド型の電子カルテは、インターネットを通じてクラウド業者のサーバーを利用し、情報を保存・管理しています。このため、オンプレミス型と違い施設内にサーバーを設置する必要がないため、ハードウェアにかかる費用を大幅に抑えることが可能です。クリニックや診療所などの小さい規模の医療機関にも導入しやすい電子カルテシステムと言えるでしょう。ここからはクラウド型の電子カルテに必要な費用について、詳しく説明していきます。
ハード費用
クラウド型では、コンピューターとインターネットがあれば、場所や端末を選ばずに利用することができます。
オンプレミス型では、専用のパソコンなどのハードウェアの購入が必要になりますが、クラウド型は、自院にあるパソコンやスキャナーなどを活用することができ自由度が高いです。また、利用する端末台数や利用人数によって、料金が変わらないサービスが提供されていることもあります。ハードウェアの台数が多くても価格を抑えられるでしょう。
クラウド事業者が管理するサーバーで、カルテデータを保存・管理するので、サーバーの購入も必要なく、ハードウェアにかかる費用はオンプレミス型に比べ低価格です。
サーバーの作動に必要な空調管理や電気代などの光熱費もかからず、維持費も抑えることができます。
オプション費用
クラウド型電子カルテでも、その他のシステムをオプションとして連動させることができます。
システムにもよりますが、クラウド型はインターネットを介するので、外部のサービスと連携しやすいのが特徴です。
患者さんが来院前にパソコンやスマートフォンを使って問診表を記入できるWEB問診システムや、インターネット予約が可能な診療予約システムなど、業務効率を高められるシステムがさまざまです。これらも連携させるためには別途費用が必要です。
ソフト利用料・サポート費用
クラウド型の電子カルテでは、サービス提供をするサーバーがデータの処理を実行してくれます。そのため、パソコンなどの端末にソフトウェアをインストールする必要がありません。
そしてオンプレミス型の場合には、施設内にサーバー設置をするため、自院で保守管理を行う必要があります。クラウド型ではクラウド事業者のサーバーを利用するため、クラウド提供事業者が保守管理を行います。クラウド型電子カルテの場合は、ソフトウェア利用料・サポート費用を月々で支払うパターンが一般的です。
電子カルテのコストを下げるポイント
電子カルテの特徴を捉え、自院に合ったシステムを導入することで、電子カルテにかかるコストを下げることも可能です。
主なポイントは次の4点です。
- クラウド型に移行する
- 端末台数によって変わる価格があるか確認する
- オプション追加は自院に必要なものだけを選ぶ
- 複数社で見積もりを取る
電子カルテのメーカーによって、サービス・価格設定はさまざまです。電子カルテをうまく運用するためには、コストと搭載機能のバランスをよく考える必要があるでしょう。
クラウド型に移行する
電子カルテでコストを削減するための方法として、クラウド型の電子カルテに移行することが有効でしょう。
オンプレミス型の電子カルテは、初期費用に500万円ほど必要で、月々の保守費用も数万円かかります。また、5年ほどでサーバーのシステムの更新があり、この時に初期費用と同等の金額が必要です。
一方クラウド型の電子カルテでは、初期費用は10万円程度です。月々の利用料金も数万円程度なので、維持費も低価格に抑えられるでしょう。
端末台数によって変わる価格があるか確認する
クラウド型の電子カルテでは、電子カルテベンダーによって、パソコンなどの端末台数や利用人数に合わせて、利用料金が増える場合があります。
自院のスタッフの人数や、診察室や受付、検査室など、院内に配置が必要な台数をしっかり確認しておくことで、不要な費用を抑えることができるでしょう。
中には、端末台数や使用人数が増えても、料金は一律の電子カルテシステムも存在します。どのようなシステムがあるのかよく確認し、自院向けのシステムを探しましょう。
オプション追加は自院に必要なものだけを選ぶ
多くの電子カルテベンダーは、電子カルテによる業務の効率化アップに役立つ、さまざまなオプションを準備しています。
準備されたシステムを見ると、どれも連携させておくと便利そうなものばかりに見えてくるでしょう。しかし、電子カルテのコストを削減するためには、本当に必要なオプションを選定する必要があります。
例えば、画像ファイリングシステムなどは、施術のビフォーアフターを記録に残せるため、美容クリニックでは効果的なシステムでしょう。一方、画像の取り扱いが少ない精神科等では、画像系のオプション追加は無理にする必要はないかもしれません。
複数社で見積もりを取る
以前に比べ、電子カルテシステムの種類も豊富で、選択肢が徐々に広がっています。電子カルテの導入を検討する場合は、自院にとってベストなシステムを選ぶため、複数社で見積もりを出してもらいましょう。複数社の見積もりがあれば、比較対象ができるのでコストやサービスの条件を、客観的に比較することができます。
見積もりを依頼する場合には、できるだけ同一時期・同一条件で行うと、より効果的に比較することが可能です。
見積もりがそろえば、メーカーに価格について相談をする指標ができます。無理な値引き要求は好ましくありませんが、相互の合意形成を図りながら適正価格で購入できるように働きかけると良いでしょう。
自由診療の電子カルテならMEDIBASEにお任せください
自由診療を扱っているクリニックや診療所で、診療の特徴にあった電子カルテがなかなか見つからないとお悩みの担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。自由診療にあった電子カルテをお探しであれば、MEDIBASEがおすすめです。
MEDIBASEは自由診療に特化したクラウド型の電子カルテで、初期費用・維持費を抑えることができます。
月額39,800円~利用可能
MEDIBASEはクラウド型の電子カルテなので、施設内のサーバー購入が不要です。また、端末の指定がないため、ハードウェアの費用は抑えることができます。初期費用は10万円程度と低価格です。
さらに、オンプレミス型とは違い、リースが不要なので5年ごとのシステムの更新・買い替えコストも必要ありません。月々の利用料は39,800円〜と低コストなので、維持費も抑えることができます。自由診療に特化した機能も多数搭載されているので、自由診療を扱うクリニックや診療所の業務効率アップも目指せます。
端末台数・人数は無制限
クラウド型の電子カルテは、月々の利用料が必要で、使用端末や利用人数が増えるごとに料金が追加で必要になることがあります。
しかしMEDIBASEは、端末台数・利用人数は無制限なので、月々の利用料金が変動することはありません。
診察室や受付・検査室など、電子カルテをつなぎたい端末が多い場合でも、コストを気にせずに端末を増やすことが可能です。
またインターネットさえあれば、端末を選ばずにカルテを開くことができます。在宅医療や往診など、院外でカルテを使用するために端末台数を増やしたい場合も、利用料金が変わらないことは、電子カルテのコスト削減にもつながるでしょう。
まとめ
電子カルテは業務効率をアップするために有効なツールです。電子カルテの中でも、クラウド型の電子カルテは初期費用・維持費を抑えることが可能です。導入や移行によって、電子カルテのコスト削減を目指せるでしょう。
MEDIBASEは自由診療に特化したクラウド型の電子カルテです。自由診療の特徴にあった、役務管理や医院運営に役立つデータ分析の機能も搭載されています。医療機関の特徴やご要望に合わせて、プランをご提案いたします。
自由診療を扱う医療機関で、電子カルテのコスト削減を目指しているのであれば、ぜひご相談ください。