クリニック経営の人件費率は?コストを抑えるアイデアとは

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クリニックを経営するうえで、特にコストがかかるものは人件費です。

しかし、「今の人件費にかけているコストは適正なのか」や「人件費にはどのくらいのコストがかければ良いのか」などが分からないという方も少なくありません。

この記事では、そのような方に向けて人件費率やコスト削減方法など、人件費に関して解説します。

人件費率とは

人件費率とは、収入に対して人件費がどの程度かかってるのかを表す指標のことをいいます。

人件費には、給与や賞与、さまざまな手当、福利厚生などが含まれます。

人件費率は、クリニックの利益を計算するためには非常に重要なものであり、人件費を管理するうえでは必要不可欠なデータです。

クリニックの人件費率は何%?

クリニックにおける人件費率の一般的な適正割合は、収入の15%程度といわれています。

厚生労働省の調査によると、入院収益のないクリニックの平均的な収入は8,821万円程度となっているため、人件費を15%に抑えるとすると1,323万円以内になります。

1,323万円ですと、年収400万円の従業員を3人雇うことが可能ですので、3人で経営を回すことができれば理想的です。

ちなみに、厚生労働省の調査によると、クリニックの平均的な人件費は2,263万円となっているので、人件費率は25%です。理想とされる15%を上回っていますので、人件費を抑えることがいかに難しいかが見て取れます。

出典:医療経済実態調査(医療機関等調査)

クリニックの人件費率を適正にする方法は?

クリニックの人件費率を適正にする方法には、主に「売上高を基準にする方法」と「売上高総利益を基準にする方法」の2つあります。

どのように違いがあるのかなど、それぞれを具体的に解説します。

売上高を基準にする方法

人件費率を計算するうえで、最もメジャーなのが売上高を基準とした方法です。

具体的な計算式は

人件費÷売上高×100=人件費率

となります。

人件費は、給与や賞与、手当、退職金、福利厚生費など、人に関わる経費がすべて人件費として含まれます。

そのため、意外と人件費がかかっていると感じる方も少なくありません。

売上高総利益を基準にする方法

基本的には、上述した売上高を基準とした計算式が行われます。

しかし、必ず売上高を使用して計算しなければいけないというわけではなく、業態によっては別の計算式のほうが良い場合もあります。

そのときに活用されるのが売上高総利益を基準とした計算式です。

具体的な計算式は

(人件費率÷売上総利益)×100=人件費率

粗利で業績を管理している業種などでは、売上高総利益を基準にした計算式のほうが相違がなく、より具体的な適正を算出することが可能です。

 

人件費のコストを下げるためには?

ここまで人件費に関して解説してきましたが、思いのほか人件費がかかると感じ、できるだけ人件費のコストを下げたいと考えた方も多いのではないでしょうか。

人件費のコストを下げる方法にはいくつかありますが、それと同時に注意点もあります。

ここでは、人件費のコストを下げる方法を5つ解説します。

やみくもに人件費を下げるのは危険

できるだけ人件費をカットして、支出を減らしたいと考える方も少なくありません。

しかし、やみくもに人件費を下げるのは経営に悪影響を与えてしまうこともあるため、注意が必要です。

クリニックは、患者数が増えて繁盛するほど、患者に対応するためのスタッフが必要となります。

そのため、一定数のスタッフがいなければ患者に迷惑をかけることにもつながり、良い経営とはほど遠い状況にもなりかねません。

業務効率を上げて無駄な人件費を削減する

人件費のコストを下げる方法の一つとして業務効率の見直しが挙げられます。

クリニックによっては長時間労働が当たり前のようになっており、時間外労働が発生していることも少なくありません。

そのような場合は、業務効率を見直すことで時間外労働を削減し、結果的に人件費のコスト削減につなげられます。

例えば、システムを導入して勤怠管理や給与計算の自動化やクラウドを活用した作業の簡略化、徹底したシフト管理など、このような工夫を取り入れることで業務の効率化を図ることができます。

スタッフ配置や診療時間の見直しをする

上述に加え、スタッフの配置や診療時間の見直しを行うことでもコスト削減を図ることができます。

例えば、一週間の動向を把握してこの曜日は患者が少ないからスタッフを一人減らしたり、土曜日に診察してほしいという患者が多いから土曜日は半日だけクリニックを開けようなど、状況に応じて見直すと良いでしょう。

このように臨機応変に対応していくことで人件費のコスト削減と収入アップにつなげることも可能です。

業績と連動した成果主義の賞与にする

人件費を削りたいからといって給与を低下させるのはスタッフの意欲低下につながるため、おすすめはできません。

しかし、賞与に関しては業績に応じて支給するという成果主義報酬がおすすめです。

業績と連動した賞与支給を行えば、頑張れば頑張った分だけ賞与に反映されやすくなり、その結果、スタッフの意欲向上につながります。

また、業務効率化も同時に図ることができるでしょう。

クリニックスタッフの適正人数を把握する

クリニックの現状を把握し、スタッフ数が適正人数であるかを把握することも大切です。

患者数が多いのに対し、スタッフ数が少なく患者に迷惑をかけてしまっている場合は、スタッフ数が足りていません。

一方で、患者がそれほど多くないのにスタッフは多く、暇を持て余しているスタッフも少なくないという場合は、スタッフが多すぎるといえます。

こうならないためにも、一日の患者数はどれくらいか、一日何人くらいのスタッフがいれば患者に迷惑かけないかなど、具体的に考えると良いでしょう。

そうすることで、クリニックの適正人数を導き出すことができ、結果的に人件費削減につなげることができます。

業務効率を上げるためには電子カルテの導入がおすすめ

無駄な人件費を抑え、コストダウンを目指すためには、業務効率を上げる必要があります。

業務効率を上げる場合には、電子カルテや予約システムなどのツールを導入することをおすすめします。

「MEDIBASE」は、自由診療に特化して開発されたクラウド型電子カルテです。

予約システムとの連携も可能ですので、スタッフの業務効率を上げることができるでしょう。

また、月額料金は39,800円からと、コストを抑えて導入が可能です。

現在クリニック経営を行っていて、ツール選定を行っている担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

ここまで、クリニックの人件費率などについてご紹介いたしました。

人件費以外の経費削減の事例や取り組みについては、こちらの記事もご確認ください。

病院の経費削減の事例や取り組みについて

新型コロナウイルス感染症などの影響で、厳しい経営状態の医療業界の現状において、経営を維持していくためには、経費削減を成功させることが重要です。

やみくもに人件費率を削減してしまうと、スタッフのモチベーション低下や人手不足につながります。スタッフの業務を改善し、無駄なコスト削減を目指しましょう。